4月10日(日)
村松友視『そして、海老蔵』を読む。さすがにプロの作家らしく、本の構成も練れているし、文章もうまい。それに、襲名披露興行の写真がたくさんカラーで収録されているので、楽しめる。この写真を何年かして見たら、いろいろと思うところが出てくるのかもしれない。本としては、もっと海老蔵に淫しているという部分がほしい気がした。手放しの礼賛が読みたい。あまり冷静な分析だと面白くないし、襲名というプロセスを通して海老蔵が成長したというのは型どおりな気がする。
本の余韻で、6月の「助六」を歌舞伎チャンネルで見る。やはり出端の部分がいい。歌舞伎の歴史を考えても、これだけの助六はいなかったし、これからも出ないだろう。女郎衆に割り込んでからも、安定感を増している。ただ、玉三郎の揚巻、声が高すぎて、それが気になる。揚巻としての強さも欠けているのではないか。全体に他の役者もおとなしい。もっと助六をあおってくれればと改めて思った。
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