9月27日(水)
朝少し家で仕事をして、先端へ出向く。雨が降りそうだったので、早めに出たつもりだったが、東北沢の駅を降りたところで、かなり降られた。相当強い雨だ。
先端では、朝、最後まで書いた『日本人の宗教史』の原稿を最初から見直す作業をする。40枚くらい見たところで、限界になった。頼んでいた犯罪白書と警察白書が来ていた。図書室で本を借り、夕方に帰る。雨も上がり、さわやかな感じになっていた。
安倍政権一番気になるのは、山谷えり子氏の存在ではないだろうか。内閣総理大臣補佐官(教育再生担当)という、政権の目玉の地位だが、そのホームページを見ると、教育にかんして
「● 行き過ぎた「ゆとり教育」と「性教育」にストップをかけます。
● 男女の区別は差別というジェンダーフリー教育をやめ、道徳教育、生命尊重教育、宗教情操教育の充実を図ります。
● 国を愛し、日本人が大切にしてきた品位、節度、調和、正直、親切、勤勉を重んじる精神が含まれるよう、教育基本法を改正します」
となっている。これはかなり明確な保守主義の立場で、とくに性教育の行き過ぎを批判したり、個人単位ではなく、家族単位での政策を提言しているところは、相当に右よりだ。統一協会の「世界日報」にもよく登場するようだが、彼女の主張は、統一協会の家族観と重なっている。これだけ、はっきりとした教育についての考え方をもった人が中心になって教育改革を進めたら、必ずや軋轢が生まれるだろう。
驚いたのは、予算委員会で披露した彼女が書いたという憲法前文。それは「四季のめぐり、恵みあふれる大八洲、豊葦原瑞穂の国に生まれ育ったわたくしたち日本国民は、睦み和らぎ、徳を高め、勤め励んで、平和の国、文化の国、道義の国として歩んできました。美しい日本の国がらを誇り、喜びとして、これからも正直、親切、勤勉、節度、品位、調和、献身、進取の気性をもって、諸国民との協和の中で輝く自由と民主主義の国として歩みます。長い歴史と伝統、家族の絆の中で、豊かに育まれたわたくしたちは、一人一人に与えられた賜物に感謝し、法にしたがい、国を富ませ、心を世界に開いた政治、経済、外交を展開し、尊い生甲斐を互いに尊重する社会をつくります。人類の恒久平和、自然との共生に心を一つにして国際社会の中で名誉ある国づくりにつとめます。愛と一致と希望の中で、力をつくし、誠をつくし、明き清き理想に向かって進んでいくことを誓います」というものだ。これは、国家のあり方を規定する憲法ではなく、国民の誓いのことばだが、聖心女子大を出て、カトリックの信仰をもつという人の発想とは思えない。
« 9月26日(火) | Main | 9月28日(木) »
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 11月15日(金)池田大作氏が亡くなって一年が経った(2024.11.15)
- 11月8日(金)誕生日発売の『世界経済史講義』は210冊目で高橋いさを氏の芝居を見に行き三谷幸喜氏に声をかける(2024.11.08)
- 11月5日(火)プレジデントオンラインの新皇室論は第9弾で落合議員はお疲れ様(2024.11.05)
- 11月1日(金)御厨貴さんの叙勲のお祝と上田紀行君の「宗教、がんばれ」(2024.11.01)
- 10月24日(木)初めて年金相談に行き『週刊現代』にはコメントが(2024.10.24)
Comments
« 9月26日(火) | Main | 9月28日(木) »
Wikipedia山谷えり子の本文だけでなく
ノート欄、編集履歴欄を見るともっと面白いよ。
Posted by: 白楽電 | September 28, 2006 02:59 AM