10月22日(日)なぜ海外で女形をやるのか
GyaOで、海老蔵のロンドン公演の放送をしているので、それを見る。「藤娘」と「かさね」だ。ロンドンでは、「かさね」の方は評判がよかったようだが、「藤娘」の方はそれほどでもなかったらしい。5月の團菊祭で、海老蔵のやった「藤娘」は見たけれど、たしかに何を目指して踊っているのかがわからなかった。体はごついままだし、可愛さも少しわざとらしく、楽しむまでにはいたらなかった。「かさね」の方は、今年の金比羅歌舞伎で同じく亀治郎と共演しており、それは、NHKの中継で見た。これが評判をとるのはよくわかる。
それにしても、海外公演、必ず、海老蔵が女形をやるのはどういうわけだろうか。最初のパリでは、「鏡獅子」をやったし、オペラ座でも「紅葉狩」の更科姫をやることになっている。もちろん、こうした役は、女形専門というわけではないので、立役の海老蔵がやってもおかしくはないのだが、歌舞伎に初めてふれるであろう海外の観客に対してということを考えると、果たして適切なものなのかという疑問がわく。それでも、こうしたものを見せようとするのは、海外というそれだけで緊張する場面で、あえて9代目が得意としたようなものをやることで、何かこれまでと違う海老蔵の姿を出そうとしてのことなのだろうか。そのように考えないと分からないが、観客のことを考えると、まだまだ疑問は残る。
ロンドン公演、「かさね」では何度もカーテンコールに答えていたが、海老蔵も亀治郎もなれないことで、なんだか和洋折衷の不思議な挨拶になっている。
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海老蔵さん、かわいそうです。ファンに恵まれていないようです。島田さんのような人が多いからです(島田さんてファンじゃなかったでしたっけ?)。
いろんなことに挑戦している若い人を純粋に応援しようという気持ちになれないのでしょうかね?
周りの評判ばかり気にしたりして。舞台に立つのはあなたではなく海老蔵さんです。彼はいつも堂々としていますよ。
亀次郎さんはロンドンでは得しましたね。かさねでしたから。あの姿なら誰がやっても興味を引いて注目を集めるでしょう。おいしいところを持っていったというところでしょうね。他の演目で普通の役だったら特に評価されることはなかったでしょう。評論というものはその程度のものですよ。日本でも同じです(私は評論家の言うことはあてにしていません。なぜなら必ず自分の感情が含まれているから)。
なにか気になることがあるのなら海老蔵さん本人に直接意見してみてはいかがですか?ブログでこそこそ書いていないで。
それから海外公演の演目を日本でやることは練習ではないですよ。そんなこと本当にやると思いますか?何故そのようなことを考えるのか理解できません。
Posted by: 海老蔵ファンのひとりより | October 24, 2006 09:14 PM