10月16日(月)W海老蔵、そして戒名
一日に、海老蔵の生舞台と映画を見た。歌舞伎座の昼の部では、海老蔵が「対面」の五郎をつとめた。これは初役だが、本当は、松緑襲名の際に演じるはずだったのが、海老蔵はのどをこわし、代わりに團十郎が菊之助と演じたものだった。そのときも今回も、十郎は菊之助。五郎は荒事の典型的な役だが、やはり海老蔵の五郎はすばらしい。見得の切り方など、益々進歩している。粗野な部分と爽快さが、ともに表現され、とくに團十郎演じる工藤にもろにぶつかっていくところが大いにわかせる。ただ、海老蔵は「対面」しかでないのが残念。幸四郎の熊谷について、前の席にすわった老夫婦が、評価がまっこうから割れていて、まじで喧嘩しているのがおかしかった。
『出口のない海』は、今週で終わってしまうので、歌舞伎座が終わってから丸の内ピカデリーで見た。マリオンの上にあるこの映画館ははじめてだが、見やすかった。もっとも、観客は数えるほど。生の海老蔵を見たあとなので、何か映画はもの足りない感じがしたが、回天の訓練でうまくいかず、上官にしかられたとき、反抗する姿は、まさに五郎と同じ荒事のようだった。
それにしても、この映画。不思議だ。今戦争映画をとるということは、どこにテーマを見つけるかが難しいのだろう。戦争を肯定するわけでもなければ、それを声高に否定するわけでもない。主人公が華々しく死んでいくわけではなく、訓練中の事故でなくなるというのも、クライマックスの作り方としては盛り上がりに欠ける。それでいいのだろうが、消化不良の感じもした。最後、誰も気にしていないだろうが、主人公の並木の戒名が出鱈目なのが気になった。釈がついているので浄土真宗のつもりなのだろうが、はっきりとどんなものかはわからなかったが院号がついて、信士で終わっていた。これは、戒名の原則からは外れている。歌舞伎座などでも、おかしな戒名を見かけることがある。是非、映画や舞台で戒名をつけるときは、私に相談して欲しいものだと思う。
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