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December 21, 2006

12月21日(木)真打ち海老蔵

海老蔵はまるで真打ちみたいだ。先月の新橋演舞場では、最後に狐忠信で宙に消えていった。今月の歌舞伎座は、「紅葉狩」で、今まで見たことのない更級姫・鬼女になって舞台で暴れ回り、それで一日の幕が閉じた。トリというのは、落語でも別格だったりするけれど、今の海老蔵は、このトリというか、真打ちというか、演目全体をしめる役割を負っているかのようだ。

更級姫、だいたい女形がやることが多いが、海老蔵がやるとまるで違ったものになる。もともと9代目團十郎が初めて演じたのだから、成田屋がやっておかしくない演目だ。実際、11代目の團十郎も当代の團十郎もやっている。それは見たことがないが、おそらく海老蔵ほどのものではなかっただろう。

最近の海老蔵は、鏡獅子の弥生、藤娘など、女形をやることが多い。それは、踊りに柔らかさを出そうとしてのことだと思うが、その成果がようやく現れてきたように思える。体の使い方が変わってきたし、声もこれまでとは全然違う。海老蔵なりの女形の声を獲得しようとしているように思える。

それがあって初めて、鬼が正体をあらわすところの迫力が生まれるのだろう。もう鬼女はこの世のものではない。こんな鬼女、見たこともないし、考えたこともない。歌右衛門が変化をやるとすごかったにしても、これほどではなかったように見える。実物で比較はできないにしても、海老蔵はその迫力で、異形のものを現実の舞台の上に現すことができる力をもっている。

これを見て、パリに行きたいと思った。フランスの観客は、海老蔵に度肝を抜かれるだろう。しかも、勧進帳までやるのだから、とんでもないことになりそうだ。

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