1月4日(木)正月早々梅枝の将来を考える
今日から仕事始め。とりあえず、本当は年末に書いた方がよかった『寺門興隆』の創価学会の連載を書く。これで38回目。4年前に突入したということだろうか。今回は、池田名誉会長が200番目の名誉学術称号を授与されたという話題にを中心に書く。いったいその意味はどこにあるのか。これは、他では書かれていない内容のものになった気がする。
今年は、喪中ということで、正月気分も盛り上がらなかったけれど、テレビで歌舞伎関連の番組をやっていたので、それをあらかた見ていった。海老蔵は松竹座に出ているので、見に行きたいところだけれど、「毛抜」と「勧進帳」の富樫ということなので、行くのは諦めることにした。海老蔵の富樫、弁慶ほどにはおもしろくない。テレビ中継で少し見たが、それほど大きくは変わっていなかった。「毛抜」は、なんといっても家の芸なので、近々東京でも見られるだろう。
全体に、すごいと思わせるような舞台中継はなかったけれど、役者として注目されるのは、時蔵の長男、梅枝ではないだろうか。この人、2年前、海老蔵の「十六夜清心」に出ていて、そのときから気になる役者になった。先月の「元禄忠臣蔵」でやった細川内記がとてもよかった。何より品のあるのがいいが、今月は、国立劇場の「梅春五十三駅」に出ている。それほどたいした役ではないし、菊五郎の化猫にいいようにされるところは吹き替えだろうが、台詞をしゃべっているとき、空気を支配できる力があるように思える。まだ本格的な役をやっていないので、正しい評価もできないが、ひょっとすると大器なのかもしれない。
ただ、そこで問題になるのは、立役か女形かという点だろう。時蔵を受け継げば、女形ということになるけれど、長男は女形には不向きだ。多くの女形は、長男ではなく、末っ子である。玉三郎や菊之助が典型だし、魁春もそう。芝雀も、「すし屋」でかわいく「お月様寝やさんした」が言えるのも、下だから。その点、長男である時蔵は、しっかり者はできても、かわいさを出せない。そうなると梅枝の場合も、あまり女形は勧められない。弟の萬太郎が女形をした方がきっといいだろう。でも、時蔵としては、梅枝に自分のやってきたものを継がせたいのかもしれない。そこが大問題だ。
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