5月10日(木)キース最高!
今日は大雨の予報。夜、新宿厚生年金会館にキース・ジャレット・トリオのコンサートを聴きに行くので、それに対応した予定で臨む。午前中は、『日本宗教美術史』を途中まで書き、午後はライブラリーへ。雨が降っても、そこからタクシーで行く予定にしておく。原稿は全体で10枚ほど書き、土偶の話を終える。そのあと、読みかけの『ロング・グッドバイ』を100頁ほど読む。
雨のつもりだったが、夕方になっても降らない。そこで地下鉄で新宿御苑まで行く。キースのCDはかなりもっていて、ブルーノートのコンプリートまでもっているが、このトリオを生で聴いたことがなかった。キースは、まだカルテットを組んでいたとき、郵便貯金会館で聴いてことがあるが、今回はそれ以来。ゲーリー・ピーコックは、プーさんとやっているので、4度目くらいになる。この前はサントリー小ホールでのテザード・ムーンのコンサートだったはず。実は、高校生の時、はじめてジャズを生で聴いたのが、プーさんとゲーリーのヤマハホールでの演奏。一度、二人にそのことを話したことがあるが、どちらもそのコンサートを記憶していなかった。ジャック・ディジョネットは、おそらくはじめでてはないか。
三人がステージに登場したところは、皆だいぶ年をとって、老人会のコンサートみたいな感じもした。「バイ・バイ・ブラックバード」から演奏がはじまったけれど、なんかきれいはきれいでも乗りが悪い。ところが、5曲目、前半の最後になった「ストレート・ノー・チェイサー」で、ジャックが太めのスティックを握って、ソロをとったところから乗り出した。
休憩後の後半の方がはるかにいい。とくに三曲目の歌もの、曲名がわからないが、たぶん昔はよかった風な歌だと思うけれど、これがよかった。極めつけは、後半最後になった「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」。途中から、オリジナルな曲なのか、それとも即興なのががわからないが、潮の満ち引きから夕日が沈んでいくのを眺めているといった雰囲気の曲になっていったところが最高。だいたい、このトリオ、スタンダードからいつの間にかオリジナルに変わっていくという曲がこれまでもよかった。最後は涙が出た。アンコールも二曲。だんだん会場全体が音楽になじんできた感じになり、終わりになればなるほどいい感じだった。これで満足。言うことなし。
「マイ・ファニー・ヴァレンタイ」が始まる前に、ジャックが一時ステージを退く。トイレにでもいった感じだったが、キースは戻ってくる前から演奏をはじめていた。それも緊張感を解くのによかったのかもしれない。休憩時間のロビーでは、この前議員会館ですれちがった羽田元首相がいた。羽田氏もキースのファンなのだろうか。
帰りがけ、桂花で久しぶりにラーメンを食べる。ここで食べたのは10年ぶりくらいだろうか。桜上水で下りて家へ向かう途中、ジャージ姿の若い男が、やはりジャーズ姿の女に、「なぜそんなに簡単にまたを開くのか」と説教していた。そうですか、なるほどと思いながら通り過ぎる。
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