5月16日(水)分水嶺としての95年
『日本宗教美術史』の原稿を書く。今日もやはり10枚。
午後から、ライブラリーへ。プリントアウトと、コピーをしてから、『ロング・グッドバイ』を読む。買えばすむことだが、もう半分読んだので、ライブラリーでのお楽しみということにしよう。
夜、電通の渡辺氏と会食する。場所は、電通本社ビルの上にあるなだ万がやっている「ジパング」という店。高くて、東京湾に面しているので、景色がいい。7時から閉店の11時までいたが、途中8時半に時計を見てからが早かった。11時だと知って、あわてて店を出る。渡辺氏からは、エコノミストの水野和夫さんと、『分水嶺としての95年』という本を一緒に出してみないかと提案される。95年は、阪神大震災と地下鉄サリン事件の年であるとともに、水野さんの分析では、経済の世界で従来の常識が通用しなくなった年だという。
最近、とくに宗教と経済との関係が気になる。経済の拡大が続いているところでは、必ず新しい宗教が生まれ、広がっていく。先日、ローマ法王がブラジルを訪問したが、その背景には、カトリックの牙城であるはずの中南米で、福音主義のプロテスタントが伸びているということがあるらしい。その実態についてはまだ調べていないが、キリスト教版の新宗教といった感じなのだろう。ブラジルの経済発展はめざましいといいうが、その背後ではそうした出来事が起こっている。宗教とテロの結びつき以上に、これからは経済発展と新宗教といったことが問題になるかもしれない。そうした問題を含めエコノミストと経済学者が対話するのは、かなりおもしろいことなのかもしれないと思う。
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