5月18日(金)1ヶ月半が経ったけれど
今回、『中沢新一批判、あるいは宗教的テロリズムについて』を出して、おもしろいと思ったことは、いろいろな人が、本に関連する情報を寄せてくれることだ。それぞれは、きわめて重要な情報というわけではなく、それを外部に向かって公表する機会もないようなものだが、それを丹念に拾い集めていくと、あるいは何かこれまで見えていなかったものが見えてくるような気配もある。それはこれまで出した本にはなかったことで、やはり今の時代に生きている人物を取り上げて、論じたことによるものだろう。池に小石を投げてみると、波紋が広がっていく、そんな感じだ。
これは、予想されたことでもあるけれど、中沢氏からは何の反応もない。あるいは、どこかで誰かに何かを言っているのかもしれないが、それも伝わってこない。それを残念だと思う気持ちもすでになくなっているところがあるけれど、どんな形でもいいが、答えて欲しいという気持ちもやはりある。武田徹さんが、『インビテーション』で、そうなれば、「宗教学史上まれに見る知的でエキサイティングな論争が繰り広げられるに違いない」と書いているけれど、その可能性は十分にあると思う。宗教学者としての責任ということもあるけれど、今の沈滞した学問の世界に活力を与えるために、反論はやはり必要ではないだろうか。そうしないと、もやもやとしたものがずっとつきまとうようにも思える。
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