5月11日(金)ちょっと残念な團菊祭昼の部
團菊祭である。今日は昼の部に出かける。3階の一番前の席。隣三席は当日購入した人たち。案外、そういうときにいい席が出る。
結論から言うと、一番よかったのは、最初の「泥棒と若殿」。山本周五郎の作品で、いかにもそうしたムードのただよっている話で、昔の新歌舞伎とはかなり趣が違う。いいのは、松録。この人、徐々にではあるけれど確実に役者としてうまくなっている。特に今回は、喜劇がちゃんと出来るようになっていた。先々代に近づいてきた感じもするが、からっと明るい役が似合う。世話物の古典などやってみたらどうなるのか。笑い方だけは、ちょっと不自然だが、そこが直れば、かなりのものになりそう。
2番目は、天覧歌舞伎120年の「勧進帳」。團十郎、菊五郎、梅玉で手堅いが、緊張感がまるでない。皆、すごくやりたいわけではないけれど、こういう記念の年でもあるし、まあがんばってやるか、みたいなところでやっているように思えた。関をどうしても越えなければならないという切実感がない。ちょっと「勧進帳」としては悲しい。
次が、海老蔵、菊之助の「切られ与三」。このコンビでは、海老蔵襲名の松竹座で見た。正直なところ、それよりもよくない。菊之助の方は、ものすごく進歩しているように思えるが、海老蔵はなんだかばらばらで、与三郎の人格が統一されていない。仁左衛門だと、甘えキャラで押し通すのだが、海老蔵だとそうもいかない。おそらく、この演目の出し方が中途半端で、途中がはしょっている上に、最後も、与三郎が花道ではなく、脇にはけたまま終わってしまうので、まるでなんのことやらさっぱりわからない。こういう形になっていると、合理的に考える海老蔵は混乱してしまうのではないだろうか。その混乱が、人格の不統一にあらわれてしまうように思う。これなら、もうやらない方がいいように思った。
それに疲れたか、最後の「女伊達」は、睡魔に襲われた。
夜の部に期待しよう。
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