6月2日(土)なんとなく勘三郎の陰が薄くなったように思えるのか気のせいだろうか
「歌舞伎美人」のホームページを見ていたら、8月歌舞伎座の納涼歌舞伎の演目が出ていた。5つ演目が並んでいたが、一つとして見たものがないし、聞いたことがないものばかりだった。調べてみると、それぞれすでに演じられたことがあるようで、渡辺えり子作演出の「舌切り雀」だけが新作なのかもしれない。詳しいことはすぐに発表されるのだろうが、どういったコンセプトなのか。去年はたしか動物がテーマになっていたが、今年のも何かあるのだろう。
ここのところ、なんとなく勘三郎の陰が薄い気がする。今度ニューヨークでも平成中村座をやるし、いろいろ公演もしている。テレビで見た、「すし屋」も熱演で、とてもよかったけれど、襲名して以降、どうも以前とは違うような気がする。いろいろと事件が続いたり、先代からの重要な弟子が2人亡くなったりと、そうしたことも影響しているのかもしれないが、なんとなく、今の歌舞伎の流れの本筋からずれているようにも思える。
今、歌舞伎界は、歌舞伎座の建て替えという大事業を前に、再編成が行われているように思える。若手の台頭、猿之助一門の流動化、播磨屋・高麗屋のなんとなくの劇団化など、はっきりはしないものの、古い秩序が崩れ、新しい時代に入っているような感じがする。そのなかで、今までは先頭切ってきた勘三郎が、少し後ろに退いたというか、あるいは再編の動きにうまく乗れていないのか、歌舞伎界の事情に通じていないのでわからないものの、中村屋系統の居場所が、つかみにくくなっている。そんなんで陰が薄いように見えてしまうのだが、これは私だけが感じていることで、実はそうでもないのかもしれないとも思う。
単純に、彼も年をとったということかもしれない。年をとれば、演技も変われば、役も変わり、立場も変わる。いつまでも若手ではないわけで、ベテランになりつつあるなかで、どう役者として、あるいはプロデューサーとしての立場を作っていくかは難しいのだろう。おそらく、息子二人が、それぞれに方向性を見いだし、親から独立するような動きを見せないとだめなのかもしれない。親離れ、子離れということか。本当の意味での「連獅子」が必要なのだろう。
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