6月9日(土)一日さまよったけれど文学の本質がわかったようで有意義だった
朝、日蓮の勉強会をしている新宿の常圓寺に出かけていった。立正安国論についてのシンポジウムに出るためだった。ところが、着いてみたら、誰もいない。おかしいと思って調べたら、昨日だった。手帳に最初に書いたときに、どういうわけか土曜日と書いてしまったようだ。昨日、時間もたしかめ、そのとき日時もみたはずだったが、思いこみというのは恐ろしい。
仕方がないので、来る途中電車のなかで見た損保ジャパン東郷青児美術館でやっている「ペルジーノ展」に行く。チケットをやはり700円で買った。ペルジーノというのは愛称で、作家はピエトロ・ヴァンヌッチという人。ペルージャで工房を開いていて、ラファエロの師匠ということだが、まるで知らなかった。工房で作っているので、本人が書いたものは少ないが、本人が書いたことに間違いないとされているものと、工房の作品とのあいだにあまりに大きな差があるのに驚く。これでは、しっかり工房を管理していたことにはならないのではないか。本人は「神のごとき人」とあがめられていてようだが、工房の作品を見てもあまりそうは思えなかった。
その後、寄ってみようと思っていた新国立美術館のライブラリーに行く。はじめてこの美術館に入ったが、巨大で、たくさんの人が来ているのに驚いた。上野の町がそのままそこにあるといった混みようかもしれない。ライブラリーは、使えそうな気がした。
その後、ヒルズのライブラリーへ行き、『ロング・グッドバイ』を読み終える。村上春樹の長い解説を読んだが、これがとても参考になった。今度、日芸で坊ちゃんについて講演するとき、何をはなせばいいかがはっきりした。ある意味、文学というものがはじめてよくわかったような気がした。
六本木から新宿へ出て、タワーレコードに行こうとして、エレベーターに乗ろうとしたら、先日インタビューでお世話になった『月刊プレイボーイ』の編集者、佐藤さんとばったり会い、ビールをおごって貰う。その後、タワーレコードに行き、キース・ジャレットの加わった『ライブ・イービル』や、ケニー・ギャレットの入った頃の3枚組み、それにジョシュア・レッドマンの新作とケン・ペプロフスキーを買う。
間違えて出来てた一日だが、収穫は案外多かった。こういう日があってもいいのかもしれない。
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