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August 25, 2007

8月25日(土)松緑君、なんとか酒を控えてはくれないか

今日は原稿依頼の打診が来たが,仕事はしなかった。歌舞伎のビデオ、ためてあったのを見る。錦之助襲名の「角力場」、翫雀の芸に生きるのインタビュー、それに今年の俳優祭。

錦之助という人、芝居は丁寧だし、表現力もあると思うが、なぜかおもしろくない。それはいつも感じることだが、「角力場」も、出だしはいい感じでも、途中からなんだかテンションが落ちてくる。一本調子のせいだろう。芝居が進んで行くにつれて、テンションがあがっていかなければならないのに、そうなっていかない。いっちどこが見せ場なのか、それを考えていないのではないか。

翫雀、話は相当におもしろい。若い頃、歌舞伎から遠ざかっていたことがやはり影響しているようだ。それは、弟の場合も同じだろう。息子の壱太郎はどうするのだろうか。相当に才能のある役者だし、本人は高校を休んでまで舞台に出たいと言ったというから、父親とは違う道を歩むのだろうか。大学で教えた経験では、18歳から22歳という時期はとても貴重で、決定的な気がする。その間に、大人になるときがあり、その瞬間に何をやっているかが、後の人生に影響する。歌舞伎役者の場合、大学生活を送っていると、その決定的な瞬間を舞台と無関係に過ごしてしまうのではないか。海老蔵にしても、彼が大きく伸びたのは、この時期だ。一時は、歌舞伎役者、大学に行くことが多かったように思うが、最近の若手はあまりそうではなくなっている。それは、歌舞伎にとっていい傾向なのだろう。

俳優祭の目玉は、なんといっても、「白雪姫」。4度目の上演だというが、今回のは非常に質が高い。玉三郎が力を入れているせいもあるが、他の役者も案外マジだし、途中の菊五郎の北千住観音も、訓練が行き届いていて、そのままで見せる。オールスターキャストだし、これはなかなかのものだ。若い頃に菊五郎が歌右衛門に言われて書いたというのは知らなかった。少し気になったのは、松緑。酒を売りながら、自分でも飲んでいたが、やはり酒におぼれるたちなのだろうか。これは、危ない。最近、周囲でも、酒を飲み過ぎた人間が早死にしている。とりあえず、助六をやってほしいので、酒は控えて欲しい。

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Comments

島田さんこんにちは。俳優際の白雪姫、私も観ました。でも、はしゃぎすぎの感じに役者の芝居がついて行ってないような感じであまり笑えず。確かにオールスターキャストではあるが、私、ずいぶん昔に俳優際の白雪姫を観てたんですよね。先代の勘三郎の「魔女のお妃」と当時の勘九郎の「鏡の精」の掛け合いに比べると、團十郎親子のそれはだいぶ落ちるような・・・。役者がスケールダウンしてるんでしょうか。先日の「馬盥」での松禄の光秀も、あの丸顔のせいか、昔々に観劇した二代目松禄演ずる絵本太閤記の武智光秀に比べると、迫力が無い。単に世代間の問題でもないとも思うのは、パリの團十郎親子の『勧進帳』。以前、吉衛門の弁慶を観ていたので、う~ん。河原崎長十郎なんて白黒映像でしか知らないけど、存在感が凄いというか、ちょっと今の役者で太刀打ちできるのは、吉衛門くらいでしょうか。島田さん、どう思われますか。

こんばんは。私は2000年から歌舞伎を本格的に見ている口なので、昔の舞台は映像でしか見たことがありません。私の感覚では、昔の歌舞伎と今の歌舞伎とは別物になっているのではないでしょうか。昔見ていた人には、どうもこくがないし、人間も薄いように見えるところはあると思います。ただ、私のようなアングラ芝居を見ることから演劇を体験してきた人間だと、ちょっと昔のはくどいというか、役者のうまさはわかるけれど、素直に楽しめないところがあります。その点で、吉右衛門は、昔の歌舞伎役者の部分を持っているのではないでしょうか。今の時代、歌舞伎に限らず、日本人全体が薄くなっているように思います。そのなかで、歌舞伎はまだがんばっているのではないでしょう。そして、新しさに期待するしかないのでは。だから、私など海老蔵中心で見ているわけです。

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