8月23日(木)富樫雅彦さんの死を悼む

ジャズ・ドラマーの富樫雅彦さんが亡くなった。体の調子が悪くなって、演奏活動をやめたということを何年か前に聞いたことがあるが、回復はしなかったようだ。
私が最初に買ったレコードが、佐藤允彦トリオの『パラジューム』で、このレコードは、今でもちゃんともっている。LPだけれど、たまに聴くことがある。そのドラマーが富樫さんだ。まだ、下半身不随になる前で、普通のドラムセットを叩いているが、この演奏は今聴いてもすごい。こんなドラミングをしたドラマーは、それまでにないし、それからもない。それをどう評したらいいかわからないが、一度聴いたら忘れられない。まさに名演中の名演だと思う。
普通のドラムセットを叩けなくなったあと、私はけっこう頻繁に彼のコンサート、演奏会に足繁く通ったことがある。それは、富樫さんのご夫妻も覚えておられて、一度だけ話したときに教えてもらった。それはまだ、私が女子大で教えていたときのことで、富樫さんが、「ああ、女子大の先生」と、あの少し高い声で言ってくれたことを覚えている。
その時期には、レコードもまめに買っていたし、出版されたディスコグラフィーも購入して、今ももっている。J.J.スピリットを結成して、人気が出た頃には、ライブにも行かなかったが、最後は、新宿ピットインでのプーさんとのトリオだったのではないだろうか。ベースはゲーリーだった。
今、ソロアルバムの『Ring』を久しぶりにかけながら、書いているけれど、本当にすばらしいドラマーだったと思う。いわゆるジャズ・ドラマーとはまるで叩き方が違い、少し邦楽の鼓とかの演奏に似ている気もする。こうしたドラマーはもうあらわれないだろう。ご冥福をお祈り申し上げます。
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