10月9日(火)平山郁夫展とPHPでの研究会
『日本人の宗教史』の校正をする。編集者に連絡を取ったところ、小見出しをつける必要があるとのこと。他にも陽明学について追加の要望もあり、仕上げるには明日までかかりそう。
夜PHP研究所に行く用事があるので、その前に近代美術館に行くことにする。今、平山郁夫展をやっている。日曜美術館で紹介されているのを見て、日本宗教美術史の現代の部分で論じる必要があると感じ、行くことにした。新宿で安くチケットを買い、飯田橋乗り換えで竹橋へ。展覧会は相当すいていてゆっくり見られた。これまで平山氏の作品はあまり関心をもっていなかったが、宗教美術という観点では重要な作家だということを感じた。広島での被爆体験をベースに、シルクロードを描いた物も、けっきょくは廃墟に関心があり、広島の焼土の延長線上にあるように思えた。本人もそのように語っているが、そのなかで唯一広島を描いた作品に登場する不動明王はいったい何なのか。これは考えてみなければならないことだろう。
美術館から半蔵門に向かおうとしたら、国立公文書館があり、「漢籍」の展覧会を無料でやっていたので、それを見る。入ると、ちゃんとしたパンフレットをくれた。陳列されているのは、儒学関係のもの。こうした文献が公文書館に行き着いていることに興味をもった。たしかに、ほかに儒学の伝統を受け継いでいるところはないのだろう。
そこから半蔵門までは、かなり距離があった。PHPでは、渡辺昇一先生を中心に、20年間にわたって研究会が続いていて、そこで話をすることになった。テーマは、中沢新一氏について。なにしろ、先生方は、中沢氏の著作は読んでいないし、太田光のことはご存じないので、そこから説明しなければならなかった。土居健郎先生が、言っておられた「pathological liar」ということばが印象に残った。こういう人は、本人は嘘をついているという意識が希薄だとのこと。
研究会が終わってから、昔本を作ってくれたPHPの阿達さんと赤坂で飲み、いろいろと話をする。12半を過ぎて、タクシーで帰る。
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