5月12日(月)圧巻の複製版玉虫厨子
朝早く、奈良行きのバスに乗るために駅に行く。駅のところで、ビラ配りをしている女性に「島田先生」と声をかけられる。昨日の講演会に来てくれたとのこと。それにしても、7時台のビラ配りとは熱心だ。
奈良までバスで4時間ほど。バスだと本も読めないし、もちろんコンピュータで仕事もできない。しかたないので、音楽を聴いてすごすが、やはりこれは相当に長い。奈良に着いてから、再びバスで法隆寺へ向かうが、ふとバスが来る前、駅の上の「なら奈良館」に、薬師寺の塔の模型があるという話しを思い出し、時間がほとんどなかったが行ってみる。見事な模型で、一面、中のようすがわかるようになっている。これはやはり相当に優れた技術なのだろう。
法隆寺までバスで一時間ほど。最後のところが混んでいた。今回は全体を見るのが目的ではなく、上御堂に移されている金堂の釈迦三尊像と薬師如来像を見るのと、秘宝展だけに絞った。ふだん金堂だと暗くてよく見えない仏像が、はっきりと見える。釈迦如来像、よく見てみると、本当に優しげで味わいがあり、いい仏像だということがよくわかる。日本の仏像史では、最初期に属するものだが、優れた技術によって作られているのが改めてよくわかった。秘宝展では、国宝の四天王などもあったが、圧巻だったのはお目当てに考えていた、玉虫厨子の複製。篤志家の寄付でなったものだというが、そのまま複製されたものより、絵の部分にも玉虫を使った物がとくにすごい。これは予想以上だった。直後に、本物の方も見たが、複製の方が圧倒的な美しさを誇っている。そのまま国宝にしてもよさそうだ。
タクシーで、平端駅へ向かう。待っている間、運転手は「聖教新聞」を読んでいたので、学会員なのだろう。地域の町長の不正について熱心に語っていた。乗っていた最中に宝島社の編集者から、かなり前に出た「隣の創価学会」を文庫にするという電話がある。まさに奇遇。平端から橿原神宮へ出て、バスで飛鳥資料館へ。キトラ古墳の壁画が公開されているのを見る。時間も遅いし、今回は、玄武や白虎ではないので、すいていた。それでも時間や曜日で相当に混むのだろう。すいている分、じっくり見られた。十二支のうち子、虎、丑の公開だが、はっきりとわかるのは虎だけ。ちょっと驚いたのは、7世紀の鳥の頭の塑像。興福寺にもある迦楼羅の可能性もある。ちなると、宗教美術史の記述にも影響が出てくる。
タクシーで橿原神宮の駅に戻り、京都へ出て、新幹線。とにかく移動の多い一日だった。こんな予定でまわる方が間違っているのだろう。
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