6月1日(日)高松塚壁画と対面する
朝から芸術新聞社の渡辺さんと奈良方面へ。京都から近鉄線で、まず西の京へ。昼食をとったあと、唐招提寺へ。鑑真像が特別に公開されている。まだ、この像は見たことがない。そのことばかり考えていたので、気づいていなかったが、現在修理中の金堂の仏像が修理室で公開されていた。去年の秋に訪れたときには、そうはなっていなかった。金堂のほうも大分修理が進んでいる気配で、その姿を見せていた。
金堂の諸仏、どれも奈良時代のものだが、全体に大きいというか、太い。果たして技術的にどうなのかということもあるが、当時の仏像としてはその点が特徴ではないか。千手観音は小さな手がみなはずされていた。修理所なので、どれも全体がよくわかるようにおかれている。とても勉強になった。
鑑真像は、目の辺りがちょっとパンダのようで、写真で見るのとは違った。その点は少し意外。鑑真像がある御影堂は、東山魁夷の障壁画で飾られている。これもはじめて拝見した。東山魁夷晩年の仕事だ。
さらに、薬師寺にいき、両菩薩不在の金堂がどうなっているかをたしかめる。別の菩薩が祀られているかとも思ったが、なんと写真だった。薬師如来も光背がちゃんとあった。先日、光背のないのを見たのはとても貴重だったことになる。
そこから、飛鳥公園の方へ近鉄線で行く。受付をすませ、ガイダンスを受ける。文化庁の人の話では、白虎だか、発見当時はしっかりと線があったのに、今はなぜか消えかかっているという。その後、修理室を見学する。窓越しに、玄武、女人群像、男子群像を見る。みな、横に置かれているので、はっきりとは見えないが、かなり劣化が進んでいるのがわかった。それでも、全体の中では一番状態のいい三つが選ばれているようだ。
これからも公開される予定だというが、あるいは次の機会にはもっと劣化が進んでいる可能性もある。文化庁の失態とも言われるが、前例のないことだし、いたしかたないところもあるのではないか。そもそも、開かれることを前提にしていないものだけに、開かれた時点で、その生命を終えていたともいえる。なかなか難しい問題があるのを感じた。
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