7月29日(火)海老蔵の忠信にただただ驚く
神戸で鉄砲水が出て、死者が4人も出たという。まったくの市街地での出来事だ。ちょうど今読んでいる谷崎の『細雪』の中巻に、戦争の時代に起こった集中豪雨のことが相当に詳しく語られている。今回の出来事はそれが再来したようだ。
朝から東銀座へ。歌舞伎座の昼の部を見に行く。今回は、「義経千本桜」の忠信の通しという珍しい試みだ。最初は「鳥居前」。実は歌舞伎の演目のなかで一番と言っていいくらい好きなものなので、海老蔵が演じるのは大変にうれしい。初演だが、相当に楽しませてもらった。これだけ迫力のある忠信は、ほかにはありえない。体の使い方も、新技を連発していた。
続く「吉野山」は、驚きの連続。竹本だけというのから珍しいが、最初から最後まで、これまで見た「吉野山」とはまるで違う。舞台装置も川が流れているし、最初、玉三郎と海老蔵がどこから出てくるのかがわからず、少しあわてた。なかで、壇ノ浦の合戦を語る場面があるが、これは「八島」や「実盛物語」と同じで、海老蔵には一番の得意。これも堪能させてもらう。
やはりすごかったのは、「四の切」。海老蔵のは新橋演舞場のときにも見たが、今回は確実にバージョンアップしている。それにしても、衣装替えのスピードが異様に速い。ちょっと考えられない早さだ。体の軽さ、表現の必至さ。いろいろ文句もつけようがあるかもしれないが、これだけ熱演してくれれば、十分に満足だ。玉三郎が静というのも、全体を引き締めている。最近、ちょっと海老蔵が大人になりすぎている感じがしたが、今回は久しぶりに本当によかったという舞台だった。舞台写真を6枚も買ってしまう。
和光で、義理の弟のためにバッグを買い、リーガル・東京にも寄って、靴クリームなどを買う。そこから、ライブラリーへ。八幡書店の武田さんなどと、今度出す天理教の本の打ち合わせをする。
夜は、長井さん運動の署名の集計をする。それにしてもずいぶんと署名が集まったものだ。明日は、自由が丘でビデオイン。
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