10月12日(日)正木美術館の開館40周年記念展に感銘を受けるが図録を忘れてあわてたりもした
展覧会マニアというか、本人もそこは病気だと言っている木下さんお勧めの正木美術館開館40周年記念の「禅・茶・花」を見に行く。会場は御成門の東京美術倶楽部。ここははじめていったが、下の階でお茶会をやっているために、着物姿の女性が多い。今日が最終日。大阪にある正木美術館でも同じ展覧会が開かれ、そちらには行かなかったが、館が所蔵する国宝や重要文化財が一堂に展示されるのは珍しいらしい。正木美術館のことは、木下さんに教えられるまで知らなかった。
この館のコレクションは、正木孝之という人によるもの。中国の明の絵画や三国時代の青磁の壷などに出会ったことでコレクションをはじめたようだが、たんに美術品を蒐集するというのではなく、茶室において道具として使ったり、掛け軸としてかけたりということを前提にして集められたものがほとんどを占めている。その点で、コレクションの視点が定まっていて、どういうものを好んでいたかがよくわかる。おそらく正木氏は、茶事における趣向ということを考え、この季節にはこれをかけ、これを使ってということを想像しながら集めていたのだろう。それがよくわかり、全体に統一感がある。
ただ、一番すごいと思ったのは、三蹟の一人、小野道風の「三体白氏詩巻」だった。書というのはいつも難しいと思うが、飛びぬけたものはむしろわかりやすい。その点で、国宝にも指定されたこの書は、圧倒的な存在感をもっていた。道風の方が、三筆の空海よりは上という感じもした。全体をゆっくりと見ていったが、今年屈指の展覧会であることは間違いない。いいものを教えてもらった。
その後、浜松町でJALと全日空のカウンターにより領収書を発行してもらったが、全日空のほうはここではだめということになり、ちょっと混乱した。おかげで、展覧会の図録を忘れて一度戻る。そこからヒルズへ行き、ライブラリーで仕事をする。宗教美術史の南北朝から桃山時代を直し終え、校正をする。天理教と平成宗教20年史のゲラが両方きているので、とりあえずこの二つを終わらせないといけない。
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