11月18日(火)新橋演舞場で海老蔵の仁木弾正を堪能する
比較的早く起きたので、朝、少しだけ仕事をした。1時間はできなかった。宗教美術史の直しを半分くらいする。
そこから、新橋演舞場へ。花形歌舞伎の公演を昼、夜続けてみる。海老蔵の弾正がいいと聞くと、どうしても行きたくなった。海老蔵のほかは、旧三之助の菊之助と松緑、それに愛之助と獅童。これで、11時から9時前まで、歌舞伎座より演舞場の席がいいので助かるが、結構長い。昼よりも夜の方が時間が長く、その分4時始まり。
最初は、「伊勢音頭」の通し。通しでははじめてみる。貢は海老蔵も初役。筋書きで、團十郎が海老蔵襲名公演で貢をやり、それで倒れたことに海老蔵が言及しているが、倒れる日に私はそれを見たので、印象が深い。海老蔵にははまり役ではあるが、どうもこの芝居、つじつまがうまくあっていない感じがして、いつも不満が残る。妖刀の力で狂気に陥っていくということなのだろうが、貢が夢遊病者のようで、そこが弱い。
「吉野山」は、菊之助と松緑。とくによかったのは、松緑の花道の引っ込み。笑みを浮かべながらの引っ込みというのが、彼は本当に得意になってきた。前にも書いたが、彼の助六が見たい。
夜の部は、「先代萩」の通し。菊之助初役の政岡。これだけ若い政岡を見たことがないが、筋書きの上演記録を見ても、圧倒的に若い。しかし、実年齢だとむしろ今の菊之助の年齢なのだろう。初役にしては立派で、素直に演じているので、自然に泣ける。竹本が葵太夫というのもよかった。子役も達者。途中で思ったのは、千松の父親は誰なのだろうかということ。政岡はシングルマザーなのだろうか。
床下から対決の海老蔵、たしかにすごい。花道の引っ込みも悠然としていいし、対決、そして刃傷と、いかにも悪役。とくに怖いのは、刃傷。刀をもって場内を見回すところで、観客が狙われているような気になった。松緑の勝元もすばらしくて、こちらは善に徹して気持ちがいい。
最後は、見たことのない「龍虎」。愛之助と獅童が勇壮な猛獣を演じて、すかっとする。全体に、これだけの若手で、十分に見させるというのはすごい。彼らは本当に実力がついてきている。歌舞伎座の改築がなったころには、本当に中心となって歌舞伎を引っ張ることになるのだろう。
それにしても、100年に一度の危機と世間では騒がれながら、演舞場は観客であふれていた。
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