4月19日(日)最終日に世田谷美術館で「平泉展」を見る
世田谷美術館で「平泉展」をやっている。今日が最終日なので、やはり出かけてみることにする。世田谷美術館には交通機関を使うと、かなり不便なので、自転車で行く。通常、最終日だと、多くの人がつめかけて、列が出来ていたりもするが、まったくそういう雰囲気ではなかった。国宝が多数展示されているにもかかわらず、場所のせいだろうか、世田谷としては多いが、国博などと比べると、相当にすいていた。
一番の目玉は、金色堂西南壇の諸仏ということになるが、これは、去年のはじめ、まだ寒い時期に現地で見ている。ただし、現地では奥の方にあって、それぞれの仏像をよく見ることができないが、今回の展示では間近で見ることができた。ほかに、「中尊寺経」が高野山にあるものを含め、数多く展示されていた。金光明最勝王金字宝塔曼荼羅図なども興味深いが、一番興味を引かれたのは、中尊寺をはじめ、東北地方の寺院に祀られている素朴な仏像たちだった。
福島の勝常寺の二つの国宝は、世田谷では展示されていないが、岩手の天台寺のものなどは、円空仏かと思えるような素朴な味わいだ。岩手の成島毘沙門堂の伝吉祥天立像は、頭頂に象をいただいているという極めて珍しいものだ。図録でも、こうした例はないとされているが、私も見たことがない。決して、それぞれが洗練されたものではなく、技術的にもつたないが、かえってそれが東北での信仰の強さを示しているように思えた。意義のある展覧会だったのではないだろうか。
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