4月24日(金)代理懐胎を禁止するのか認めるのか法的なシミュレーションが行われその難しさが明らかになった
東京財団での生命倫理の土台作り研究会が開かれる。いつもはメンバーが座長を含めて5名の小さな研究会だが、ここのところ外部の人たちもいれての拡大研究会が続いている。今回は、「生殖補助医療の規制にかんする政策提言検討のための会議」ということで、4時過ぎから8時まで討議が続けられた。
最近では、この事柄については社会的な動きもあった。たとえば、実母が代理母となって出産したケースについて、特別養子縁組の制度が適用され、生まれた子供が依頼した両親の実子として認められたということが、つい先日起こった。日本で代理懐胎による出産は、ごく一部のクリニックで実施されているにすぎず、決して広がるような状況にはないが、生まれてしまった子供に対して、いかに負担が少ない方向で処理ができるのか、現実の方はそれで動いている。
その上で、代理懐胎を認めるのか、認めないのか。今回の研究会では、代理懐胎を禁止し、その上で刑事罰を課すケースと、逆に、それを認め、その上で制度を作る方向に二つについて議論が行われた。私としては、こうした難しく、かつデリケートな事柄について、法的な規制をかけることに賛同できない立場をとっているが、実際、研究会に集まった人間でシミュレーションした場合、どちらも非常に難しく、現実的でないことが明らかになってきた。
ではどうするか。私が思うには、情報の開示がもっとも重要で、代理懐胎を行った場合、親子関係その他いろいろとトラブルが起こってくる可能性が高い。たとえば、依頼した両親が、子どもが生まれる前に離婚してしまったらどうなるのか。あるいは、懐胎をした女性がどこかに逃亡して、そこで子どもを生み、出生届を出したらどうなるのかというようなことがある。また、最近の研究では、懐胎した母親が胎児に対して身体的な影響があり、体細胞などが一体化するとのこと。こうしたことを一般に周知したとしたら、代理懐胎についての考え方も変わってくるだろう。それをすることで、法的な規制の必要もなくなるのではないか。法律は、できれば増やさない方がいいと思う。
写真は、研究会で配られた大阪のお菓子。
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