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June 10, 2009

6月10日(水)『中沢新一批判、あるいは宗教的テロリズムについて』を読もう

午前中は家で仕事をする。『宗教事件史』のゲラを見直す。あとは、『日本書紀』から引用した部分にルビをふればいい。文献目録を作るがどこまで入れるか。それを調整する必要がある。

昼食後、ヒルズへ。『東洋思想』の原稿を読み、内容をチェックする。そのあと、打ち合わせが二件。新しい本の企画と、もしかしたら雑誌に原稿を書くかもしれないというもの。先日、傘を忘れた。それを貰う。

家に戻って、新聞を読むと、中沢新一氏が、先週に続いて原稿を書いていた。チベットというか、ネパールに行ってチベット密教の修行をはじめたときのことを書いている。なんだか、すごくたいそうな目的を掲げて行ったように書かれているが、当時の状況を知っている人間からすると、相当に脚色されているという印象を受ける。なぜ、そんなに立派そうに書かないといけないのだろうか。正直に書いた方が、読者の共感を誘うのではないか。実際にどうだったかは、『中沢新一批判、あるいは宗教的テロリズムについて』に書いた。

夕飯をとっていると、週刊誌から電話。村上春樹の新刊について、これで二件目の取材。明後日は、三件目の取材が入っている。先週は幸福実現党で、今週は『1Q84』と話題が尽きない。

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Comments

島田先生は東大大学院で中沢新一先生と一緒だった時期があったのではないかと推察いたします。私は、中沢新一『チベットのモーツアルト』(講談社文庫、2003)を読んだ時、深く失望いたしました。なぜかと言うと、チベット仏教のフィールドスタディにもかかわらず、具体的記述はpp.21-26しかなく、関連することは、p.171とp.187くらいでした。もちろん、他の部分も明記していなくても、フィールドスタディなしには書けないのかもしれませんが、読者には、そのことがまったく分からず、著書の価値が分かりません。中沢先生の手法は、曖昧で、学術的価値に疑問を感じています。島田先生の批判は常識的でしょう。

中沢新一の復権、統一教会関連企業の摘発、
「幸福の科学」の政党進出など、匂いが90年代の
前半に似てきたのが、嫌なかんじですね。

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