6月8日(月)国末憲人『サルコジ』はひどくおもしろく読めこれからの政治家像を予測させる
東京新聞から依頼されている原稿を書く。金融危機についての言説の背後に、ユダヤ・キリスト教的な終末論があることを指摘するもの。短い原稿なので、書き終わったが、締め切りが明日なので、一日おくことにする。
『教養としての日本宗教事件史』の前書きを書く。本の意図と、どういう基準で個々の出来事を選んだのかを書く。
後は、『手に取るように分かる東洋思想』の原稿を見るが、ここまでくると、頭が働かず、あまり進まなかった。
夕方、書店に行って、馳星周の新刊『煉獄の使徒』を買う。これも、明らかにオウム事件を下敷きにしている。こちらは、もろに出てくる感じ。ここまでくると、いったい今頃どうしたのかとも言いたくなってくる。時代の気分なのだろうか。それとも、ハードな小説のネタとしてオウム事件に行く着くしかないということだろうか。それに関連して、仕事もやってくる。
朝日新聞の国末さんが送ってくれた新潮選書の『サルコジ』を読む。このフランスの大統領のことはあまり知らなかったが、本の内容は興味深い。今の政治家のあり方がどういう方向にむかっているのかが、よくわかる。その点では、ヨーロッパが一番進んでいるのだろう。イタリアのベルスコーニも、私生活がむちゃくちゃで、とにかく注目を集めるという点で共通している。果たしてこの波は日本にも及ぶのだろうか。おそらく、家庭倫理が強いアメリカには波及しないだろう。日本でも、まだまだ儒教の影響があって、家庭が破綻した政治家はそれほど好まれない。しかし、私生活を含め、強烈な個性を発揮する政治家ではないと、これからの世界では人気を集められそうにない。たしかに日本にもそんな政治家があらわれれば、興味深いだろう。
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