9月14日(月)映画『おくりびと』を見て葬式の未来ではなく映画の未来を考える
朝からヒルズへ。先週の金曜日から、葬式についての本を書き始めた。最初の章、金曜日に書いたところからはじえて、最後まで書き終える。25枚ほどになる。一章分が書き終わると、それが各章のだいたいの分量になることが多いので、おそらく予定したとおり11章になればいいのだろう。続けて、第2章の構想を立て、そちらを10枚ほど書く。
テレビの取材が一件、書評が一件、対談本の企画が一件くる。お忙しいでしょうかという問いかけもあったが、死ぬまで忙しいでしょうと答えたら、愚問でしたと返された。
録画していた『おくりびと』の映画を見る。葬式の本の参考になればというところもあったが、そちらにはあまり役立ちそうにない。よい映画だと思うが、むしろこれが当たり前の映画のできではないかとも思った。イニシエーション的な展開が手堅く描かれていて、無駄なところ、説明的なところがないのがいい。まとまりすぎているという感じもするが、納棺の技が洗練されていて、それだけで見られるところに、この映画の一番の価値があるのかもしれない。昔なら、これがシリーズ化され、庶民の悲喜こもごもの日常が描き出されるようになるのかもしれないが、今の時勢ではそういうこともないのだろう。これを見て、寅さんのような手堅いシリーズものが製作されないのだろうかと思った。
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Comments
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アカデミー賞受賞の際に紹介されていた海外の映画評でも、日本独特の習俗が描かれていて興味深いとか、そんな内容が書かれていましたね。島田先生の指摘の内容も同様で、イニシエーションがどうだとか、納棺の技の描写がどうだとか、要するにこの映画については、役者の演技とか、演出や脚本の出来・不出来とか、ドラマの内容について評価されたわけではないということですね。
Posted by: 米太郎 | September 15, 2009 06:10 PM