11月4日(水)100歳で亡くなったレヴィストロースの構造主義はやはりそれ以降の学問におけるものの見方を変えた
風邪も大分よくなって、通常の仕事の体制に戻す。『寺門興隆』の連載原稿締め切りが近づいているので、それをなんとか仕上げる。これで連載も70回目になった。毎回書く内容に苦労するが、選挙で公明党が負けてからはあまりいい話しが聞こえてこない。その創価学会について、週刊誌の取材も受ける。文章に書いてまとめたことが役に立つ。
文化人類学の大物、レヴィストロースが亡くなった。一時、重体説が流れた時期があり、その後復活。ついに100歳での大往生となった。一度、京都の国際日本文化研究センターの開所記念の講演会で彼の講演を聴いたことがある。そのときは、かなり遅れて会場に入ったもので、同時通訳のイヤフォンがなくなっていて、通訳を聞けなかった。それで話しの内容がわからなかったが、一応源氏物語について語ったはず。それが今から22年前のことになる。あのときはまだ70代だったわけだ。
もしレヴィストロースが存在しなければ、構造主義はなく、構造主義がなければポスト構造主義もない。あるいはそうした潮流は別の名前で呼ばれていたかもしれないが、マルクスのマルクス主義、サルトルの実存主義に並ぶ、大きな流れを作ったことは間違いない。その理論ないようということになると、主義としてまとめ上げるだけの明確なものがあったかは問題になるが、一見すると、はっきりとした理論や体系がないかに見える文化現象の背後に、何らかの論理が存在する可能性を示した点で、それ以降の学問世界におけるものの見方を変えたとは言える。その点では、構造主義の出現は、パラダイム変換の役割を担ったわけだ。その構造主義の先に、また新たなイズムが生まれるのか。それはまだ見えてはいないような気がする。
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