12月1日(火)聖徳太子に苦労するが今月は経済に関連して二つの本が出る
午前中は、『寺門興隆』の原稿、続きを書いて完成させる。午後は、聖徳太子について原稿を書くが、これが予想に反して、なかなか進まない。いろいろと調べなければならないことが出てくるからだが、案外、聖徳太子を専門とする研究者の見解に怪しげなものが多い。これは困ったことだが、明確な証拠がないにもかかわらず、無理矢理結論導いていっているところがある。研究者としてめざましい成果をあげたいということなのだろうが、綿密に見ていくと、十分な根拠が見いだせない場合がほとんどだ。学問はこれでいいのだろうか。この分でいくと、この後の宗教家についてもかなり苦労しそうな気がする。
ドバイ・ショックなるものが起こったりして、経済のことがさらに問題化してくる気配だが、今月は、経済にからんだ2つの著作を刊行することになる。一つは小幡績さんとの初の対談本で、タイトルは『下り坂社会を生きる』になった。宝島社新書で、何もかもが下り坂ということを指摘したので、相当に後ろ向きの本にも思えるが、最後は逆に楽観的で、将来に対する希望を打ち出している。
もう一つは、文春新書として刊行される『金融恐慌とユダヤ・キリスト教』だ。こちらは単独の著作で、編集者が、文藝春秋のホームページで、次のように紹介してくれている。
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「経済の向こうには絶対、神がいる」と力強く語る島田裕巳さん。サブプライム問題は、非科学的な金融工学を“信仰”した結果であり、グリーンスパンの「100年に1度の危機」発言にはユダヤ・キリスト教の「終末論」の匂いがする。今回の金融恐慌は、宗教によって引き起こされた側面が大きいようです。マックス・ウェーバーが「プロ倫」で喝破したとおり、資本主義は成立時からキリスト教とリンクしていました。本書は、アダム・スミス、マルクス、ケインズら経済学の巨頭を俎上(そじょう)に載せ、宗教との隠された関係をあぶり出してみせた異色作です。エコノミストの分析に飽き足らない方は是非、お手に取ってみてください。
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