12月12・13日(土日)有度サロンに行きオペラ「椿姫」を見る
土日は、久しぶりに有度サロンに行く。初日は、今回は公演の鑑賞がなく、夜のトークセッションからはじまる。舞台芸術公演について、夕食会もいつもより人が少ない。
トークセッションは、細川俊夫氏のレクチャーコンサートで、彼の作曲した万葉集などをもとにした歌や、日本の民謡の編曲、それにシューベルトの歌曲は、平松英子さんの歌で聴く。とくに興味深かったのが、「黒田節」と「五木の子守歌」。これまで聞いていたのとはまったく違う。まるで謡曲のような感じだった。質問の時間に、「原理主義のよう」と聞いてみたが、ギターの田部井さんが、細川さんの意図をうまく説明してくれた。いかに日本の歌曲のもともとの形を誰もが演奏できる形にするか。そこに苦労があるらしい。
翌日は、午前中が公開講座で、主に長井誠司さんが現代オペラの状況について映像付で話してくれる。とくにドイツでの革新的なものが多く取り上げられたが、裸が出てきたりする点、昔の日本の小劇場演劇に近い。けっきょくは、その後追いのようにも思えた。アメリカの大学で上演されたという「北京のニクソン」というオペラなどは、登場人物とそっくりにしようとする点で、ニュースペーパーの公演のよう。
午後は、一番の目玉の鈴木忠志さん演出の「椿姫」のオペラ公演。オペラ歌手たちが、鈴木メソッドに遭遇して困惑している様子がおもしろかった。なかに家田紀子さんという歌手が、うまくそれを取り入れて、まるでスコットの役者のようだったのが印象的。最後の場面、舞台奥があくと、そこには空席の劇場が。これは、舞台芸術劇場と会場となったグランシップの中ホールを隔てていた壁がはじめて空いた記念すべき出来事とか。
パーティーのときに、それを設計した磯崎新さんにうかがうと、当初から意図していたとのこと。もし、両方の劇場を同時に使って、裏表で何かを上演したら、相当に面白いだろう。すぐに思いつくのは、忠臣蔵と四谷怪談。大ホールの方も、野外とつながる設計になっているが、そういう使い方はされていないとのこと。勘三郎が知ったら、是非やりたいと言うに違いない。
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