4月17日(土)次の村上春樹作品は、『BOOK4 1QQ5(1月-3月)』
午後は、新宿へ出て、ピカデリーで『アリス・イン・ワンダーランド』を見る。『アバター』に続いて2作目の3D。そもそも、原作は必ずしも映画向きではないが、脚本はよくない。最初の設定が無駄だし、最後アリスがRPGの主人公のように怪物と戦うのはいかがなものか。ほかに、いい役者がそろっているのにもったいない。
しばらく3Dの作品が続くのだろう。何しろ、それで入場料が高くなっているので、儲けは大きい。だが、3Dを生かすというのは相当に難しい。『アバター』の場合、監督が抜群の空間処理能力をもっているので、その特性がいかんなく発揮されているが、ほかの監督ではそうはいかない。実際、ティム・バートンには、格別そうした才能がないわけで、飛び出る絵本的な珍しさの域を出ていない。
夜までかけて、『1Q84』Book3を読み終える。基本的な流れは、1と2を受け継いでいる。相当にその続きはスムーズなので、当初から3が書かれる予定になっていたように思える。牛河が活躍しそうなことは、なんとなく予想していたが、その通りだった。3の筋は、ちょっと『君の名は』に似ている。
内容的にはいろいろあるが、これで物語が完結したわけではない。なにより、これから子供が生まれることになっているので、その行く末が問題だし、最後のほうには新しい空気さなぎも出てきている。もろもろ、何も解決していないともいえる。
大胆に予想すれば、次は、『BOOK4 1QQ5(1月-3月)』となるのではないか。1995年はオウム事件の年で、これから生まれてくる子供は10歳になる。10歳のときに、天吾と青豆は、手をしっかりと握りあいお互いの存在を確認した。
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Comments
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ラストシーンがあれほど、丁寧に、長く書かれた作品はこれまでなかった。明確な終わりのメッセージがそこにある。
物語の未来を繋げるなら、二人間の子供、その成長、そして孫。などハリポタ以上に続けられるが村上にとってそれはナンセンス。
オウムについては既にアンダーグランドでやっているから、同じ題材で何度も挑むほどまだまだ村上の発想は枯渇していないし、カルト教団をメインの題材としするのは今回が最後と感じる。
先に広がるはずの未来に作者としてのメッセージを残さず、むしろそこに置き去りにされてしまうのが村上ワールドの真骨頂。今回のBOOK3さえ私にとっては驚き。
そして、これまでにないハッピーエンド。村上がおそらく初めて見せる物語の集結。
以上からBOOK4は有り得ないと確信してますが、出版関係にお勤め、もしくは関係のある方でしょうか?
Posted by: ないほうに一票 | April 19, 2010 01:37 PM