5月19日(水)『スウィング・ジャーナル』の休刊に思う
ジャズ・ピアニストのハンク・ジョーンズが亡くなった。91歳で、つい先日まで演奏活動を展開していた。昔、「ナイト・ジャーナル」という番組をやっていたときに、ゲストの一人として来てくれた記憶がある。晩年は日本で人気が出て、各地で歓迎され、しかもストリングスをバックにしたアルバムまで録音してもらっている。その点では、かなり幸福な人生だったのではないか。
ジャズということでは、『スウィング・ジャーナル』が休刊になるという。広告収入の減収が理由としてあげられていて、それはどの雑誌にも共通することだ。この雑誌までなくなるというのは、あまり考えなかったが、私なども最近は購読していない。なんどかこれまで購読することがあったし、文章を寄稿したこともある。
昔の『スウィング・ジャーナル』と言えば、時代をリードする雑誌だったように思う。ジャズ自体が、革新的な文化運動で、その動向を伝える雑誌には、高級感があった。植草甚一氏などが活躍したのも、この雑誌だった。たんにジャズを紹介するだけではなく、文化の動き全体とどう連動しているのか、それが雑誌からも伝わってきたように思う。
けれども、ジャズ自体がやがて音楽のジャンルとしてしっかりと確立され、また一つのファッションとして定着したことで、運動的な側面はなくなった。したがって、メインストリームのミュージシャンや曲目の入門的な紹介と、新譜の紹介に中心が移り、その点で、ざっとみればそれでいい雑誌になってしまったのではないか。アルバム評にしても、論争的なものはいっさい失われた。それだけ革新的な動きがなくなったからだろうが、それが最終的に休刊に結び付いたように思う。
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