10月9~11日(土~月)「天狗推参!」を横浜まで見に行く
土曜日は、立川の朝日カルチャーセンターで「葬式は、要らない」の講義。朝カルでは新宿に続いて2度目になる。自分で話をしていて、だんだん漫談調になっているのを感じる。学術的な講義というより、一種のエンターテイメントになってきた。その分、聴衆には快感というか、解放感があるかもしれない。
月曜日は休みだが、朝から少し原稿を書く。ところが、展覧会の情報で、神奈川県立歴史博物館で「天狗推参!」という珍しいものをやっているのを知る。天狗についてまとまった展示というのは初めてだ。そこで、車で横浜に出かける。
どういういきさつでこの展示になったのかは、図録にもあまり書かれていない。ただ、天狗という存在が、どういったものをもとに想像されてきたのか、また、どのような信仰を生んできたのかがわかって、とても勉強になる。それに「魔仏一如絵詞」など、これまで知らなかったものも展示されていた。この絵詞、なかに信者が僧侶の尿をありがたがって飲む場面がある。これはいったい何をもとにしているのだろうか。解説も遠慮してのことか、それにふれていない。
って調べてみると、これが「天狗草子」の異本で、描かれているのは一遍の時宗だということが分かった。当時の時宗はまさに、現代のカルトと同じ振る舞いにおよんでいた、あるいはふるまいに及んでいると認識されていたことになる。しかも、尼僧に尿をとられているのは一遍自身のようだ。
今日の国宝
辟邪絵(毘沙門天) 奈良国立博物館
金銅毘沙門天像懸仏 鞍馬寺
金銅毘沙門天像 1軀 同
金銅毘沙門天像 2軀 同
いずれも初めて見た。
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天狗推参!企画者の一人です。偶然に展示評を拝見しました。ご指摘の通り、「魔佛一如」のあの場面については詳述を避けていますが、時衆と禅宗は天狗としてやり玉に挙げられています。展示の経緯は館内での共同研究の発展系です。やりたいからやるという感じで、当館はまだそれがゆるされています。ですから、渋い展示をやっています。昨年は東国の日蓮信仰などもやりました。ご高覧どうもありがとうございました。
Posted by: 古川元也 | October 22, 2010 10:57 AM