1月5日(水)いよいよ仕事始めだが富十郎氏の逝去は悼まれる
歌舞伎の中村富十郎氏が亡くなった。81歳。もう少しは行ける年だと思っていたが、新年の新橋演舞場出演を控えていながら、亡くなってしまった。かなりその舞台は見たが、なんといっても踊りがすばらしかった。せりふ回しには独特のものがあり、それがときに単調さに結び付くようなこともあったが、それも含め、武智歌舞伎の影響ということだろうか。歌舞伎には演出家がいない分、外部の目というものが届きにくい。もちろん、先輩の役者から習うわけだが、そこには忠実に技を伝える意識が強く働き、演技や身体の使い方など、土台となるものに対する目配りは欠けているのかもしれない。惰性に流れやすいとも言える。はたしてこれから、富十郎氏のような、しっかりと体が使える役者が出てくるのか。その点はかなり重要なことだろう。
今日からは本格的な仕事始めになり、新潮新書から出す宗教の本の直しをはじめる。編集者からの注文もあるが、読み直してみると、足りないところも目につく。一日で全体の4分の1ほどしか終わらなかった。これは、案外時間がかかる。
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