3月14日(月)ホワイトデーどころではない東京の混乱と『災害ユートピア』そして明治の三陸沖地震
我が家の庭では白い沈丁花の花が咲いている。東京では計画停電のことでかなり混乱している。今日は一日家にいて、経堂駅まで行ったくらいだが、昼前後ということで格別駅も混乱はしていなかった。
地震が起こる2、3日前、ライブラリーに『災害ユーロピア』という本があるのに気付き、それを手にとってみた。今にして思えば、そのとき購入しておけばよかったが、アマゾンなどでは品切れ状態になっている。柄谷行人さんが、朝日でこれを書評しているのには気付かなかった。大規模災害が起こったとき、パニック映画が描くのとは違い、人々が助け合う共同体があらわれることを、さまざまな事例から検証した本のようだ。今、海外から震災に対する日本人の落ち着きが評価されていたりするが、それはむしろ人類全体に普遍的なことなのではないだろうか。そのことを思い起こすのは一つ必要なことだろう。
地震の被害よりも津波の被害の方が、けっきょく激しかったようだが、三陸ではこれまでそうした経験を繰り返している。とくに明治時代には、マグニチュードが大きいにもかかわらず、地震の揺れが軽微で、大津波が襲ってきたという出来事があった。それで2万人以上の方が亡くなったらしいが、こうした過去の経験が今回は忘れられてしまっていたということだろうか。もっともあの速さでは、高齢者の多いなか、ほとんどの人が安全な場所に避難するというのは難しかっただろう。将来に発生する地震に対していかに対処するかを考えることも重要だが、案外、震災の歴史を日本人全体が共有する必要があるのかもしれない。
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