3月23日(水)今月末で東大先端研の客員研究員が終了するがそのきっかけになった「安全安心な社会を実現する科学技術人材養成」のプロジェクトの重要性を改めて考えた
今まで、東京大学先端科学技術研究センターの客員研究員をしてきたが、3月末でちょうど終わりになる。私を先端に呼んでくれた御厨貴氏が来年で定年になり、その関連で先端との縁が切れることになった。ちょうど、地震が起こった日に、研究室の研究会で話をすることになっていたが、それもかなわないまま今日を迎えている。
先端に呼ばれたのは、2005年10月のことで、特任研究員と客員研究員をつごう5年半務めたことになる。客員時代には格別仕事があったわけではないが、特任の時代には「安全安心な社会を実現するための科学技術人材養成」のプロジェクトに参加し、その関連でいくつかのセミナーを開いた。今になってみると貴重な体験だが、この今こそ、このプロジェクトの課題が重要性を増しているように感じられる。
私自身は主にオウム真理教の事件に端を発した宗教とテロの問題を扱っていたが、プロジェクト全体のなかでは災害の問題やその報道のことが重要な課題になっていた。当然、そうした研究会などに参加したこともある。安心安全のプロジェクトは、御厨氏が中心だったように、文系からの発想が中心になっていたが、社会に向かっていかに科学の知識や認識を伝えていくかはかなり難しい事柄になる。今の事態とからめて考えると、徹底した安全を追求することが、非常事態が生まれた時には、かえって弊害を生むことになる。
たとえば、食品なり水なりの安全基準は、かなり低めに設定され、その面では安全が追求されており、数値が規制値を超えたら、規制なりの処置が働く仕掛けもできあがっている。今の政府はまさにその通りに行動しているわけだが、規制をかけることで、あるいは規制値を超えたと公表することで、かえって不安を煽っている面もある。情報の隠ぺいは、その後に大きな禍根を残すのが通例だが、非常時の対処の仕方として今のやり方がいいものなのかどうか、検討の余地はありそうだ。
人材養成ということでは、たんに専門性ということにとどまらず、情報を伝える人間の人間性といったことも、信頼感を与えることができるかどうかにはとても重要な意味をもつ。果たして安全安心のプロジェクトでそこまで議論がされたのかどうか、今になってみるともっと議論をしておく必要があったようにも思えてくる。
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