5月18日(水)映画の『情婦』は抜群に面白いし「五百羅漢展」も予想以上に楽しめた
午前10時の映画祭はビリー・ワイルダー監督の「情婦」。有名な作品で、アガサ・クリスティーの戯曲が原作になっているものだが、これまで見たことがなかった。とにかく面白い。昔の映画はよかったと改めて思う。なぜ、今の映画はこうならないのだろうか。第一に脚本が悪いし、存在感のある役者がいないせいだろうか。デートリッヒの存在感はやはりタダモノではない。
映画が終わってから、両国の江戸東京博物館へ。狩野一信の「五百羅漢展」。震災で空調がおかしくなり、それで開催が遅れた。平日だがけっこう人が入っている。一信の五百羅漢については、『日本宗教美術史』のなかでふれている。ただ、その時点では作品そのものを見ていなかった。見てはいないがどうしても取り上げたいと思ったもので、今回100幅全部を見られてよかった。先日は東京国立博物館でも、異本を見ている。
絵としては、明の絵画の影響を受けた、日本的な感覚からすると少しグロテスクなものだが、実際に見てみると、絵が精緻で、グロテスクという印象は薄れる。とくに六道の場面などは面白い。ビームとして説明されている観音菩薩などから出る光は当時どのように呼ばれていたのだろうか。この絵に賭けた一信の情熱はやはり尋常ではない。最期、病気で全部を描ききれなかった無念さもよくわかる。96幅迄は本人がとされているが、実際には89幅迄が本人の作ではないだろうか。江戸時代にはかなり五百羅漢図が人気を集めた。その意味はもう少し考えてみる必要がありそうだ。
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