7月29日(金)映画「禁じられた遊び」はもしかしたら宗教性の濃厚なホラーなのかもしれない
3日間休みということで、伊豆に行っていたが、あっという間に終わってしまった。
午前10時の映画祭は、「禁じられた遊び」。昔見たことがあるが、全く内容を覚えていなかった。昔のフランス映画の感覚は、今とかなり違うので、あまり面白くは感じられなかった。ただ、この映画、一般に言われているのとはまるで違う意味をもっているような気もした。もしかしたら、これはホラー映画なのではないか。
なぜそんなことを考えたかと言えば、やはり宗教的な背景が濃厚なこと。主人公の少女は、パリッ子ということになっているが、洗礼も受けていないし、お祈りの仕方もしらない。これは、彼女を受け入れた農村の家族からすれば、とんでもないこと。そこで、祈りの言葉を教えられることになるが、一度、宗教にふれると、彼女はしだいに悪魔的な方向へ進んでいく。それが、十字架が林立する動物たちの墓場。農家の男の子は、そうした彼女の幻想にひっぱられ、どんどんと罪をおかしていく。十字架を盗み、動物を殺す。しかもそれを聖域として守ろうとする。これではまるで、少女が悪魔で、あるいは魔女で、その策略に男の子が乗って、神を穢す方向に向かっているようにさえ見える。
もちろん、これは私のような宗教学者しか感じないことだろうが、「禁じられた遊び」の信仰の問題についてはこれまで論じられてこなかったのではないか。少なくともこれは反戦映画ではないし、少年少女の無邪気さを描いたものではない。だいたい、フランスと日本では子供の扱い方が違い、フランスでは全く子供扱いをしない。『子供の誕生』という有名な本があるが、フランスでは日本的な意味での子供は結局発見されていないのではないか。
午後は、税理士の事務所により、会社の決算書を見せられる。それから、日蓮遺文の勉強会。ようやく100ページを切った。あと9回か10回で終わりそう。
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