10月21日(金)南座と御園座に行ったので一日で大阪、京都、名古屋、東京にいたことになった
昨日東京に日帰りしてもよかったが、ちょうど京都の南座で法然の登場する歌舞伎をやっているので、泊まってそれを見に行くことにした。となると、名古屋の御園座の顔見世も気になり、そちらにも寄ることにした。
朝、ホテルからシャトルバスで大阪へ行き、阪急で河原町へ。10月歌舞伎の昼の部を見る。年末の顔見世の南座ははなやかだが、今回は、浄土宗がバックにあるとはいえ、俳優は実質6人。しかも、藤十郎、翫雀、壱太郎の三代に、橋之助、男女蔵、鶴亀というどちらかと言えば、地味なメンバー。これで公演を打ってしまうのは、ある意味すごい。
橋之助の「矢の根」は、姿はいいが、声がもう一つ通らない。そもそも、歌舞伎18番のなかでも決して面白い演目ではない。ただ、最後の大根を背負った馬の登場では場内がわいていた。次が、法然の登場する「墨染念仏聖」。800年遠忌の関連で、藤十郎は「法然上人をたたえる会」の会長だとのこと。そんな会があるのを知らなかったが、裏千家の家元や山折さんも会員のようだ。そういえば、山折さん、震災の日に、浄土宗の門跡と対談していたと言っていた。
形式は舞踊劇で、「熊谷陣屋」が織り込んである。構成演出が花柳寿輔。壱太郎の式子内親王の部分が一番見せる。ここがもっとも舞踊劇らしいところだからだが、もっと舞踊劇に徹した方がいい。最後が、翫雀壱太郎親子の「連獅子」。翫雀、こういうのが苦手のように見えた。そこがちょっと物足らないが、場内は満足して終了。
その足で、京都駅へ行き、新幹線で名古屋へ。京都も名古屋も観光客でごったがえしている。季節だからだろうが、日本は景気がいいという感じになる。地下鉄で御園座へ行くが、名古屋駅で間違えた方向に行き、面倒なことになった。新しい地下鉄ができたからだろうか。
御園座の方は、経営不振が伝えられているものの、売店もたくさんあり、南座よりはるかに華やいでいる。「角力場」は、又五郎の襲名の演目。まだ、足にギブスがあるが、動きはよくなっている。吉右衛門の濡髪、芝居として心理的な部分が薄いので、さすがの吉右衛門もいつものさえがない。
次が三津五郎と海老蔵の「棒しばり」。この二人がやると、うまいし、楽しい。
最後が、團十郎の「助六」。先月から体調が心配で、今月はどうかと思ったが、やはり声がうまくはれない。体の動き自体はそれほど悪くはないと思うが、やはり不安だ。海老蔵の口上は、わかりやすくて、こういうのは初めて聞く。福助の揚巻が、これまでとはかなり違うように思った。芝翫が亡くなり、その重しがなくなったせいだろうか。自分のやりたいようになっているという感じがする。芝雀の白玉も安心して聞けるし、海老蔵の福山かつぎも予想通り、すっきりと江戸前。三津五郎のかんぺらなどもいい。華やかな舞台だが、問題は團十郎。
終わったのが9時ちょっと前で、そのままタクシーで名古屋駅へ。新幹線に飛び乗って、11時前に品川。これで、一日に、大阪、京都、名古屋、東京にいたことになった。こんなのは初めてだし、南座と御園座を一日で見たのも初めてだ。
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