10月30日(日)東大理学部の公開講演会でまるでジョブズのような早野さんの講演を聴く
早野龍五さんが講演をするというので、東大理学部の公開講演会「理学が拓く未来」を聴講に出かける。千代田線で行き、根津の方から向かったが、ちょっと東大というのは要塞のような建物になっている気がした。弥生門から入るべきだったかもしれないが、けっきょく正門から入る。
会場は安田講堂。安田講堂が本来の目的でつかわれるのを体験するのは2度目。私が学生のころは物置になっていた。700人が定員で、予想していたように400人くらい入っていた感じ。年配者が多い。コンサートの途中から入る。
早野さんの話は「反物質」。こんなテーマでの講演を聴くのは初めて。早野さんとは雑談はしたことがあるが、こういう本格的な専門の話を聞く機会は少ない。文系の人間にはわかったようでわからない話だが、物質を巡る世界観が根本的に刷新されるのかどうか、素粒子物理学の世界はそちらに向かってずっと進んできた気がする。講演が終わってから、ご本人に、こうした研究をしている海外の人の宗教観との兼ね合いを聴いてみたが、そこには日本人とは違うものの見方が働いているようだ。
日本人は、創造神を想定しないので、宇宙の始まりがビッグバンだろうとなんだろうと気にしないし、神の創造にあずからないものを人間が作り出してもさして気にしないが、キリスト教圏ではそうはいかない。これは、生命倫理の研究会に通っていたときにも感じたことで、日本人は非常に自由だともいえる。となると、なぜ自由なはずの日本で自然科学が当初発達しなかったのか。かえって、信仰という壁のある欧米の方が発達したのは、その壁ゆえなのだろうか。そうしたことを考えさせる講演だった。
早野さんの講演はわかりやすいし、スライドも実に使い方がうまい。次の塚谷さんも、話はわかりやすいし、スライドはきれい。ここまでできるのなら、スライドを使ってみるかという気にもなったが、二人は特に上手なのだろう。早野さんの場合には、まるでジョブズみたいだった(後から知ったがやはりそうらしい)。
最後のシンポ、理科系の研究者の窮状を救え的な内容ではあるが、文化系からすると理科系ははるかに恵まれていると感じられた。少なくとも、文系には、税金で研究をさせてもらっているという意識はない。それも、お金がめぐってこないから。やはり理系と文系は違うと感じた。
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