12月6日(火)日蓮の小説を30枚以上書く
ずいぶんと寒い。ちょっと風邪気味だし、家で仕事をする。
久しぶりに日蓮の小説を書く。一日で30枚以上書くが、この量は今までで一番多い。小説はこのくらい書けて当たり前の気もする。伊豆の流罪から赦免された時期のことを書いているが、日蓮にとってここはもしかしたら精神的に苦しい時代だったのかもしれない。鎌倉から清澄寺に戻るのも、鎌倉では十分な活動ができなかったからではないか。実際には、資料のない時代で、想像をふくらませるしかないが、母の病を癒すために、「南無妙法蓮華経」の唱題に行きついたという話にしてみた。この時期の日蓮には「法華題目抄」という遺文もある。
親鸞の資料として塩谷菊美『語られた親鸞』を読む。法蔵館から出ているもので、話のなかにその本家にあたる丁子屋が登場する。実際の親鸞がどうだったかということではなく、親鸞の死後、どんな物語が作られ、語られていったかを追ったもの。鎌倉時代から明治時代までをカバーしており、かなりユニークな本だと思う。ただ、優しく書こうとして文体がですます調になっているが、案外これがわかりにくさに通じているような気もする。
御厨さんから『「戦後」が終わり、「災後」が始まる。』をいただく、千倉書房から出ているもの。災後ということばはまだ熟していないが、3.11によって、戦後のパラダイムが崩れ、新しい時代認識が必要になったという趣旨だろう。なかには、復興会議の提言が含まれる。これは一読して御厨さんの文章だと思っていたが、やはりそうだった。災後という認識が果たしてこれから広がるのか。日本はあまり変わっていないようにも思う。
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