1月5日(木)新春浅草歌舞伎を堪能するの一日
新年にはやはり歌舞伎。今年は新春浅草歌舞伎に行くことにした。ずいぶん前に一度行ってことがあるが、まだそのころはこれほど人気がなかった。幕の内ということもあって、かなりの盛況。
今回のお目当ては、昼の部では、最近贔屓にしている壱太郎。最初の「八犬伝」では浜路、次の「廓文章」では夕霧をやっている。昼の部では、亀治郎とともに一番目立つ。「八犬伝」は、原作はすべて読んでいるが、これまで歌舞伎では見たことがまったくなかった。テレビでもない。最近は、いろいろなところでやっているようだが、今回はその一部。壱太郎の浜路は、途中、書き口説くような場面があって、そこで一瞬、場内の空気をすべて支配してしまうようなところがあった。女形としての口跡が安定しているのがいいし、何より手の動きが繊細。あとは、亀治郎の蟇六がすごい。最後のだんまりも悪くなかった。若手がたくさんいて、それが楽しい。
「廓文章」の夕霧は大役。どうなるかと思ってみていると、これがなかなかの出来。小娘から傾城へと見事に変化している。大輪の花がつぼみをつけたという印象。もちろんこれからだろうが、存在感がある。愛之助の伊左衛門はがんばってはいるが、阿呆ぶりに抜けていない。まだまだ。驚いたのは、太鼓持ちの上村吉太郎。我當の部屋子だというが、まるで富十郎を小さくしたような感じ。こんな子役がいるとはびっくりだった。
夜の部は、演目が猿之助のものだけに、亀治郎のワンマンショー。実は、この「敵討天下茶屋聚」もまったく見たことがなかった。亀治郎の声は、まるで猿之助だが、役者としては以前の勘九郎に近い。ちょっと体の線が細いところで損をしている気もするが、観客を沸かせる能力は秀でている。どんな猿之助になるのか。かなり当代とは違ったものになりそうだ。
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