8月21日(火)バカンスで読んでいたプルーストの『失われた時を求めて』の第4巻をようやく読み終える
一日家で仕事。『日本企業の経営哲学』の第1章、松下電器の章を書き上げることに専念する。原稿を最後まで書いて、最初から見直していく。50枚にはならなかったが、それくらいの量にはなった。珍しく小見出しもつけて、グーグル・ドキュメントに載せる。最後の部分で、続いてダイエーのことを取り上げるのを予告するものになった。
タイのプーケットで読んでいたプルーストの『失われた時を求めて』の第4巻をようやくさいごまで読み終える。こちらもバカンスの時の話で、休みの時に読むには最適。去年も伊豆に行った時に、プールサイドで読んでいた。この第4巻、格別多きな事件は起こらないのだが、これまでの巻に比べると、プルーストの書き方がかなり難しく、翻訳者が苦労していることがわかる。なかには、字面を見るだけでは、ちゃんと翻訳されているようで、でも、読んでみると、意味がはっきりとはしないところもあった。これは、フランス語の原文に当たらないと、わからないだろう。ただ、それはちょっと大変だ。
プルーストは、個人の心的な体験を徹底して細かく描き出し、日常の生活のなかで遭遇するさまざまな出来事にかんして、私たちがどういうことを感じていくかを、考えられないほど詳細に論じている。とくに、この巻は、その印象が強く、書き手として彼がここで一歩先に進んだことを思わせる。あるいは、存在しない絵画についての描写なども、これは今まで読んだことのない書き方で、それがどういう絵なのか想像はしてみるものの、わかったようでわからない書き方になっている。そういう意味では、一冊読むのに時間がかかるし、日常の生活が続いているあいだに読むのは難しい。こころの余裕が必要な本で、ひとことひとことを味わって読んでいかないと意味がない。次の巻がいつ出るかわからないが、またバカンスで読むことになりそうだ。あるいは、この本を読むためにバカンスをとる必要が出てくる。
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