4月6日(日)鳳凰祭四月大歌舞伎昼の部を見る
時間あり、家族も留守なので急に歌舞伎座へ行くことにする。3階の1列目が開いていたせいもある。同じ3階でも1列目とそれ以降では、かなり違う。
新しい歌舞伎座が開場したのは去年の4月。それから、もう1年になる。去年は初日の第2部から見た。本来なら歌右衛門襲名興行のはずだったが、鳳凰祭と銘打って、配役からすると現代版の顔見世のよう。
最初が「壽春鳳凰祭」という祝賀のための舞踊。新作で、王朝絵巻。踊りとしては何ということもないが、時蔵に風格があった。作詞が田中伝佐衛門というのが興味深い。
次が、「鎌倉三代記」。三姫の一つで有名な演目だが、映像では見たことがあるものの、実際に舞台で見るのははじめて。魁春の時姫が歌右衛門のような複雑な演技というか、所作をして、それが面白い。そのあとは、三津五郎復帰の「壽靭猿」。これもはじめてみた。というわけで、3つ続けて、はじめての演目という感じで、いったいどうなるのかと先がわからない面白さを久しぶりに味わった気がした。三津五郎は病気で痩せたからか、曾祖父を思わせる。
最後は、藤十郎一世一代の「曽根崎心中」。初演は昭和28年8月というから、私はまだ母親のおなかのなかにいた。それから60年も同じ役者が演じているというのは奇蹟的なことなのだろう。しかも、幼い娘の可愛さがある。最近好調な翫雀も、ういういしくうぶな青年を好演している。ただ、この話、壱太郎がやったときにも感じたことだが、現代には合わなくなっている気がする。死ななくてもいい二人が死ぬというところが、どうも間が抜けた感じになっている。そこを変えるべきではないだろうか。
一生懸命見たせいで、最後は疲れた。3階席は窮屈なので、やはりきつい。帰りがけ、カメラマンの二階堂君に久しぶりに会う。彼は歌舞伎座でも撮っているようだ。
帰りは新宿へ出て、新装なった伊勢丹メンズへ。ヒッキーフリーマンで夏物のスーツを作る。まともなスーツはいったいいつから作ってなかっただろうか。
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