8月22日(土)納涼らしくない納涼歌舞伎を一日観劇する
朝から歌舞伎座へ。納涼歌舞伎の第1部から第3部を見るため。
3階席の一列目をすべてとってあり、1部終わるごとに横に移動した。納涼歌舞伎というと、水が出てきたり、お化けが出てきたりすることが多いが、今回は、そうしたところがあまり見られなかった。「棒しばり」と「芋堀長者」は、亡くなった三津五郎にささげるとなっている。追善興行ではないということなのだろう、筋書にも三津五郎のことは写真を含め出ていなかった。
一番、最初から予想されたことだが、わかりにくかったのが、2部の「逆櫓」。吉右衛門では見たし、あるいは幸四郎でも見ているかもしれないが、話が分かりにくい。というか、主人公の樋口という人物の位置づけが、いったい彼は誰に対して忠を尽くしているかがわかりにくく、それで感情移入できない。観客も少なかったし、盛り上がりにも欠けた。
逆に一番面白かったのは、最後の「祇園恋づくし」。いろいろと恋愛が出てきて、どろどろしているのかと思ったら、さっぱりしていて、見どころも多かった。なぜもっと上演されないのか、かえってそれが不思議だった。
三津五郎に捧げるということで、巳之助が大役をふられていたが、このところ急速に進歩していて、意外に、役者としても面白い。踊りは当然まだまだで、どうこう言うほどではないのかもしれないが、若手有望株として急成長している雰囲気もある。
歌舞伎を見始めて15年が経つが、これくらい時間が経つと、世代交代という場面に接する。そこがもう一つ歌舞伎の面白さなのかもしれないと、改めて思った。
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