10月11日(日)「伊勢音頭恋寝刃」の通しを見て静かな国会議事堂前を通る
勉強のために国立劇場へ。これまで、「伊勢音頭恋寝刃」はかなりの数見てきたが、福岡貢が伊勢の御師であるという設定が、油屋だけを見ても、あまり生きていない気がしていた。今回は通しなので、そこがわかるかと思い、出かけてみた。
最後に、貢切腹というところがあるようだが、今回はそこはなし。それでも、「相ノ山」「太々講」があり、ほぼ全体がわかる形での上演になっているらしい。「相ノ山」はさしたるところがなく、貢の梅玉が、現代劇風のセリフのしゃべり方で存在感が薄い。さしたることはない。
「太々講」は、鴈治郎が中心だが、ちょっと面白くしようとしすぎて、まわりとバランスが悪い感じがした。この人、自分だけが突っ走ってしまう傾向がある。ただ、伊勢参りとの関係は、この場面があって、よくわかった。最後はいつもの「油屋」と「奥庭」。ところが、お紺の愛想尽かしが、「太々講」の場とうまくつながっていなくて、どうして急にそういう態度をとったのか、かえってわかりにくくなった。これはどうしたことだろうか。脚本の問題かもしれない。
国立劇場から霞が関の駅へ歩いていこうとして、国会議事堂の前を通る。実に静か。ヒルズへ行って、校正をして帰る。
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