8月9日(火)納涼歌舞伎に橋之助の孤独を見る
8月と言えば、歌舞伎座は納涼歌舞伎。その2部と3部に一家で行ってきた。昔は、8月など客が入らず、歌舞伎座で歌舞伎の公演もしていない時代があったようだが、そこに3部制で気軽にみられる納涼歌舞伎が導入され、今では夏の風物詩になっている。
今回の納涼歌舞伎は、橋之助がその名前で出る最後の舞台。考えてみれば、ともに納涼歌舞伎を続けてきた勘三郎も三津五郎もいないし、兄の福助は病に倒れたまま。その子供たちが、さらには孫が舞台に立っているとはいえ、本人としては孤独な思いをすることもあるのではないだろうか。
しかし、その分、最近の橋之助の充実ぶりには目をみはるものがある。芝翫襲名を控えているということもあるが、何より役者として大きく見えるようになった。今回の「土蜘」などは、その代表だろう。出てきただけで、存在感が違う。
橋之助の芸風は、亡くなった團十郎にも通じるものがあり、團十郎が演じていた演目と重なる。襲名興行でやる、熊谷や盛綱、そして番隨長兵衛などがまさにそうだ。その團十郎もいない。近しい役者の不在が、橋之助を孤独にし、その芸を深めている気がする。
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