11月22日(火)兵藤裕己校注『太平記』全6巻を読了する
兵藤裕己さんが校注された『太平記』(岩波文庫)全6巻を読み終えた。
刊行がはじまったのが2014年の4月だから、完結するまで2年半を要している。その途中、朝日カルチャーセンターの千葉教室で講座が重なり、兵藤さん本人にもお会いすることができた。同じひろみで、字も近い。ちょっとした縁を感じていたが、その折、校注の作業で目を悪くして、中断しているということを伺った。
その後、再開されて完結にまで至ったわけだが、たしかに注が細かい。何よりいいのは、同じ言葉に繰り返し注が出てくることで、そうなっていないとこの本は読めなかっただろう。ご苦労様というしかない。
各巻、長文の解説がついているが、とくに最後の巻の解説は南北朝の正統問題にふれて、啓発されるところが多かった。講談社学術文庫に入っている『太平記〈よみ〉の可能性』でも述べられていたことだが、今回の方が分かりやすく、また、射程が長い気がした。
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