11月22日(火)兵藤裕己校注『太平記』全6巻を読了する
兵藤裕己さんが校注された『太平記』(岩波文庫)全6巻を読み終えた。
刊行がはじまったのが2014年の4月だから、完結するまで2年半を要している。その途中、朝日カルチャーセンターの千葉教室で講座が重なり、兵藤さん本人にもお会いすることができた。同じひろみで、字も近い。ちょっとした縁を感じていたが、その折、校注の作業で目を悪くして、中断しているということを伺った。
その後、再開されて完結にまで至ったわけだが、たしかに注が細かい。何よりいいのは、同じ言葉に繰り返し注が出てくることで、そうなっていないとこの本は読めなかっただろう。ご苦労様というしかない。
各巻、長文の解説がついているが、とくに最後の巻の解説は南北朝の正統問題にふれて、啓発されるところが多かった。講談社学術文庫に入っている『太平記〈よみ〉の可能性』でも述べられていたことだが、今回の方が分かりやすく、また、射程が長い気がした。
« 11月21日(月)芝翫襲名二ヶ月めの興行を見る | Main | 11月25日(金)54年ぶりの11月の雪 »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 6月21日(土)『読書人』では生成AIの使い方について斎藤哲也さんと対談した(2025.06.21)
- 6月20日(金)『美術の窓』という雑誌でキリスト教の用語解説をした(2025.06.20)
- 6月19日(木)『日本人にとって皇室とは何か』に関連する朝カルでの講義と週刊誌の記事(2025.06.19)
- 6月15日(日)長い付き合いの『一個人』が休刊になってしまう(2025.06.15)
- 6月10日(火)梅雨に入った中『教養として学んでおきたい神社』の8刷決定(2025.06.10)
Comments