4月21日(金)原一男監督の新作『ニッポン国vs泉南石綿村』の内覧会に出かける
原一男さんの新作といっても、まだ完成版かどうかわからない『ニッポン国vs泉南石綿村』を見るためにアテネフランセに出かける。シネマ塾が行われたところだ。
アスベスト訴訟の過程を追ったドキュメントで、上演時間は3時間を超える。もっとも休憩時間が入るので、映画二本立てという感覚だ。原さんは、上演時間の長さをひどく気にしていたが、見ている側にはさほど負担ではない。なにしろ面白いからだ。
私的には、前半の方が後半よりも面白かった。後半は裁判闘争に重点が置かれ、劇的ではあるが、出てくる人間が官僚だったり、警備員であったりと、その人間性が垣間見られない人たちも少なくなかった。後半の立ち上がり、高裁で原告側敗訴の判決を下した元裁判官のもとを訪れようといった話になったところでは、これはちょっとどうかと思ったが、そちらの方に流れなくてよかったと思う。
前半は、原告となった患者と家族の物語で、皆当たり前の市井の人だが、石綿工場で働いていた時代の幸福や、裁判闘争がはじまってからの緊密な人間関係が描かれていて、幸福な気持ちになれた。これがなければ、後半の展開は辛かったかもしれない。
原さんは、これまで常識を超えた異色の人物を取り上げてきたが、まっとうな人たちを取り上げると、その真っ当さが前面に出てくるということが分かった。
これは、意見を聞く内覧会ということで、四方田や高校の同級生の金平、それに昔「ナイトジャーナル」という番組のプロデューサーだった永田氏など、久しぶりの人たちにも会った。
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