5月18日(木)菊五郎家のことから女系天皇を考えてみる
歌舞伎座では、團菊祭が行われて、盛況。菊五郎丈の孫、眞秀君の初お目見え、そして新亀三郎の襲名初舞台とにぎやか。
一方、皇室では、眞子内親王が結婚するということで、女性宮家の問題が改めて浮上している。ただ、これには女性天皇や女系天皇への道が開かれるとして、保守派は反対している。
歌舞伎界も天皇家も、ともに家で継承していくというところでは共通したものをもっている。ただ、歌舞伎の世界では、芸による継承がもっとも重要で、血による継承は必ずしも絶対の条件ではない。たとえば、宗家である市川團十郎家の場合、11代目團十郎と、その前の9代目團十郎では血のつながりはまったくない。それでも、芸が継承されていれば、血のつながりは問題にされない。
そこで、女系天皇ということを、尾上菊五郎家で考えてみよう。
現在は、菊五郎の子供である菊之助がいて、将来菊五郎を継ぐと考えられている。そうなるだろうが、菊之助は吉右衛門の婿でもある。吉右衛門には後を継ぐ男の子供がいない。そこで、吉右衛門が菊五郎に、菊之助に吉右衛門をどうしても継がせないと頼み込んだとする。そんなことはあり得ないが、いろいろいきさつがあり、菊之助が吉右衛門を継ぐことになる。
となると、菊五郎の名跡をどうするかだが、菊五郎の長女、寺島しのぶが8代目菊五郎を継ぐとする。歌舞伎には皇室典範なんてややこしいものがないので、そうなったとする。すでに寺島しのぶは、「座頭市」で歌舞伎もやっている。あるいは、舞台には立たず、名前だけ継ぐということもあり得る。
そして、寺島しのぶの息子である眞秀君が成長したら、9代目菊五郎を継ぐ。これで、菊五郎家は女系でつながるわけだ。そのとき、観客は違和感を持つこともないだろう。そして、菊之助の子供、和史が4代目で吉右衛門を継ぎ、菊吉という関係が継続される。
それと同じ形で、皇位が継承されても、国民は納得するだろう。家は、継ぐことが重要で、血の継承はさほど重要ではないとも言える。しかも、男系だろうと女系だろうと、つながっていることはつながっているわけだ。
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