7月31日(月)靖国神社の暴露本から今を考える
取材を受けるということもあり、宮澤佳廣『靖国神社が消える日』(小学館)を読んだ。
著者は、靖国神社の元禰宜。6月まで勤めていたという。在任中靖国神社をめぐってどういうことが起こり、それにどう対処してきたのかをつづったものだが、一方で、現在の徳川宮司に対する批判にもなっている。
それは、徳川氏本人のパーソナリティーということもあるのだろうが、戦前は国の施設としてはじまった靖国神社が、戦後民間の一宗教法人になってしまったということの矛盾が深く関係している。著者は、本来は国のものであるはずの靖国神社が宗教法人として独自にさまざまなことを決めていってしまい、本来の在り方から逸脱していく危険性をもっていることに強い危惧を抱いている。それが本書の執筆の動機になっているようだ。
もうすぐ8月15日がめぐってきて、靖国神社のことも話題になるはずだが、なんとなく今年はさほど大きくは取り上げられない気がする。それは、安倍首相の力が衰えてきているということも一因だが、さすがに、戦後70年以上が過ぎ、戦争に送られた人間だけではなく、戦没者の遺族が亡くなっているということの方が大きいだろう。戦没者の遺族として恩給をもらっているのも、もう2万人くらいしかいない。靖国神社は過去の問題になりつつあるようだ。
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