10月10日(火)猿之助の代役はなぜ右近なのだろうか
猿之助がかなりの大けがをしたらしい。カーテンコールの際の事故という。セリを使って登場するところで、衣装がはさまったとか。カーテンコールは稽古などしないので、立つ位置など、しっかりと確認が行われていなかったのかもしれない。
代役は、ニュースを聞いた時に思った通り、尾上右近になった。右近は、「麦藁の挑戦」というマチネー公演で、ルフィー役をつとめているので、それがそのまま移行した形になった。こういう代役は珍しいが、実際に事故が起こってみると、そんなこともどこかで予想していたのではないかと思えてくる。何しろ動きは激しいし、長丁場だ。猿之助が一刻も早く回復し、復帰できることを祈りたい。
ただ、なぜ右近なのかということは興味深い。彼は、歌舞伎役者ではあるが、同時に、清元の延寿太夫を継ぐ可能性のある立場にある。今度、清元の名前ももらうらしい。その点では、揺れている時期ではないか。父親は最初役者をやっていて、それから太夫になった。周囲は、その期待をもっているのだろうが、本人の気持ちはどうなのだろう。役者としても、ようやく力をつけてきた段階だ。この代役がこれからどういう影響を与えていくのか。それも注目されるところである。
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